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ダイソーのフライパンはIHで使えるか|半年使った本音と限界

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五百五十円の鉄板が、コンロの上で温まらなかった

共用キッチンの夜。
住人のリョウが、買ってきたばかりのフライパンをIHの上に置いた。ボタンを押す。
ピー、と短い音。画面にエラーの表示。
「え、載せてるんだけど」
もう一度置き直す。同じ音。
(これ、IH非対応のやつじゃない?)
パッケージを引っ張り出して裏を見たら、対応の表示がどこにもなかった。ガス火専用と、小さく書いてある。
彼はしばらく無言でフライパンを持ち上げて、底を眺めていた。

シェアハウスのキッチンはIHが二口。ガスは使えない。この条件で、百円ショップのフライパンを何枚も試した。
使えるものと、使えないものが、はっきり分かれる。

売り場には両方ある

これが混乱の元。
同じ棚に、IHで使えるものと使えないものが並んでいる。見た目はほとんど変わらない。
値段も近い。五百五十円のものと、七百七十円のもの。この差が対応の有無だったりする。
判断できる場所が二か所ある。パッケージの表示と、底面の形状。

磁石が付くかどうか

確実な見分け方はこれ。
IHは、鍋の底に磁力で電流を起こして発熱させる仕組み。磁石が付く素材でないと、そもそも反応しない。
店で判断するなら、小さな磁石を持っていく。冷蔵庫に貼ってあるようなもので足りる。
底に当てて、ぴたりと吸い付けば対応している。すべり落ちたら使えない。
うちはこれを住人に教えてから、買い間違いがなくなった。

実際に使えたもの、使えなかったもの

アルミ製は、基本的に使えない

軽くて安いフライパンの多くは、アルミでできている。
アルミは磁石が付かない。IHでは加熱できない。
ただし、底にステンレスの板を貼り付けた製品がある。これは使える。表示に対応と書いてある。
リョウが買ったのは、この加工がされていないタイプだった。

鉄製のものは、そのまま使える

鉄のフライパンは、素材そのものが磁石に反応する。
うちで一番よく働いたのが、この鉄製のもの。直径二十センチで五百五十円。
重さは五百グラムほど。手首に来るが、扱えない重さではない。
熱の入り方が素直で、肉に焼き目がきちんと付く。安いなりに、道具としては成立していた。

底が反っていると、認識されない

素材が合っていても、使えない場合がある。
IHは、底面が平らに接していないと反応しない。中心が浮いていると、エラーが出る。
うちで買った一枚が、最初から微妙に反っていた。平らな机に置いて、指で押すとかたかた揺れる。
安い製品は、この個体差が大きい。店で買うとき、平らな棚に置いて揺らしてみる。数秒でできる確認。

半年使って、どこが壊れたか

コーティングは、二か月で剥がれはじめた

表面に加工がされている製品を使った場合。
最初の一か月は、卵がつるっと滑る。感動する。
二か月目、底の中心に銀色の点が出た。指でなぞると、境目がざらつく。
三か月目には、その点が五百円玉ほどに広がっていた。そこだけ食材が張り付く。
共用で使っていたので、洗い方がばらばらだったのも大きい。硬いスポンジでこすった住人がいた。

取っ手が、緩む

ねじ一本で留まっている構造のものが多い。
使っているうちに、その一本が緩む。フライパンを振ったとき、ぐらっと動く。
うちは月に一度、ドライバーで締め直している。緩みに気づかず持ち上げて、中身がこぼれた住人がいた。
熱いものが入っている状態でこれが起きると、危ない。定期的に確認する。

鉄製は、錆びる

表面加工のない鉄のフライパン。
洗ったあとに水を拭かず、そのまま置いておくと、翌朝には赤い斑点が出る。
うちの共用キッチンでは、これが繰り返された。誰が最後に使ったか分からないので、誰も拭かない。
洗ったら火にかけて水分を飛ばし、薄く油を塗る。この手間を全員に徹底させるのは、共同生活では難しかった。
一人暮らしなら、続けられると思う。

IHで使うときの、コツと注意

強火から始めない

薄い底のフライパンをIHで急に強く加熱すると、底が歪む。
一度歪むと、平らに戻らない。IHが反応しなくなる。
中火で温めてから、必要に応じて上げる。うちは最初の一枚をこれで駄目にした。
空焼きも避ける。中身が入っていない状態で強く加熱すると、一気に温度が上がる。

直径が小さすぎると、反応しない

IHには、反応する最小の直径がある。機種によるが、十二センチ前後を下回ると認識されないことがある。
小さな卵焼き器や、ミニサイズのフライパンを買うときは注意する。
うちの住人が十五センチのものを買って、片方のコンロでは反応して、もう片方では反応しなかった。二口のIHでも、出力の設定が違うことがある。

調理中に、持ち上げない

IHは、鍋が離れると加熱が止まる。
中華鍋を振るような調理は、そもそも成立しない。
振らずに、木べらで混ぜる調理法に切り替える。
うちの住人が炒飯を作ろうとして、フライパンを振るたびに加熱が止まって、べちゃっとした仕上がりになっていた。

どこまで期待していいか

三か月使い捨てと割り切る

これがうちの結論。
五百五十円のフライパンを、三か月ごとに買い替える。年間で二千二百円。
三千円台のフライパンを二年使うのと、金額はほぼ同じ。
違うのは、常に新しいコーティングで料理できること。剥がれかけたものを我慢して使わなくていい。
洗い方に神経を使わなくて済むのも、共同生活では利点だった。

毎日使うなら、専用のものを買う

一人暮らしで、毎日料理をする人。
この場合は、三千円台のIH対応フライパンを買ったほうがいい。
底が厚く、熱が均一に入る。歪まない。二年から三年持つ。
うちの住人で自炊が趣味の人は、自分専用のフライパンを持ち込んでいる。共用のものは使わない。

サブとして持つと、便利

メインのフライパンとは別に、一枚あると助かる場面がある。
油をたくさん使う揚げ焼き。魚を焼いて匂いが付く調理。
汚したくない道具の代わりに、安いものを使う。
うちは魚専用の一枚を決めている。匂いが移っても気にしない。

買うときに、見る場所をまとめる

パッケージの裏の、対応表示

IH対応と書かれているか。ガス火専用と書かれていないか。
表示が小さいので、店の照明の下では見落とす。スマホのライトで照らして読む。
うちの住人は、この確認をせずに二枚買い間違えている。

底を、平らな場所に置く

店の棚は平らなことが多い。そこに置いて、指で縁を押す。
かたかた揺れたら、その個体は反っている。別のものを取る。
同じ商品でも、個体によって差がある。三枚並んでいたら、三枚とも確認する。

取っ手の付け根を、握って揺らす

買う前から緩んでいる製品がある。
持ち手を握って、上下に軽く動かす。がたつくなら避ける。
うちで一枚、新品の時点でぐらついていた。使う前に締め直したが、その後もすぐ緩んだ。

先月、リョウが新しいフライパンをIHに載せた。
ボタンを押す。今度は、静かに加熱がはじまった。表示に数字が出る。
彼はポケットから小さな磁石を出して、机の上に置いた。買い物に持っていったやつ。
「これ、便利すぎません?」
油が温まって、細い煙が上がりはじめた。ジュッという音とともに、肉の匂いがキッチンに広がった。

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この記事を書いた人

屋根の下の知恵袋TOKYOシェアライフ

都内シェアハウス住民によるリアルな生活ハック発信中。
節約、家事、収納、コミュニティづくりまで、みんなで暮らすからこそ生まれる知恵を発信してます。

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