MENU

ノートパソコンにタッチパネルは必要か|1年使って本音を書く

目次

三万円の差額を、レジの前で悩んだ

同じ型番、同じメモリ、同じ容量。違いは画面に触れるかどうかだけ。
それで三万円。
売り場のデモ機に指を伸ばして、ページをすっとスクロールしてみた。ぬるっと動く。気持ちいい。
(これ、あったほうが便利に決まってるよな)
そう思って上のモデルを買った。一年前の話。
今、その画面を指で触る回数は、一日に数えるほど。

シェアハウスの住人六人のうち、タッチ対応のノートを持っているのが三人。持っていないのが三人。
毎日リビングで作業する姿を横から見ていると、使う人と使わない人の分かれ方が、想像していたのと違った。

画面を倒して板のように使う機種を選ぶなら、タッチは必須。
普通に開いて文字を打つだけの使い方なら、要らない。差額をメモリか容量に回したほうが幸せになれる。
このニ択で、迷いのほとんどが片付く。
理由は、指の届く角度と手の重さの話に尽きる。

一年で分かった、触らなくなる理由

買った直後は面白がって触っていた。二週間で頻度が落ちた。
理由は単純で、腕が疲れるから。
キーボードに手を置いた状態から、画面まで手を持ち上げる。この動作を一日に何十回もやると、肩が固まる。
指はキーボードの手前で完結させたい。人間の体は、そういうふうにできている。

タッチが働く場面、働かない場面

 

画面を倒したときだけ、指が主役になる

三百六十度回転する機種を持っている住人のカイトを見ていて気づいた。
彼は画面を裏まで折り返して、板の状態で使う。膝の上に置いて、指でページをめくる。電子書籍を読むとき、資料に手書きで印を入れるとき。
この形になった瞬間、タッチは一気に主役になる。キーボードが裏側に回っているので、他に操作する方法がない。
逆に言えば、この使い方をしないなら、タッチの出番は最後まで来ない。

ペンを使う人には、代わりがない

うちで一番タッチを活かしているのは、専門学校でデザインを学んでいるミオ。
彼女は画面に直接ペンを走らせる。線を引いて、消して、また引く。
描いた線がそのまま画面に出てくるのを見ていると、板タブレットとは別の道具だと分かる。
手書きでメモを取る人、図を描く人、絵を描く人。この層にとっては、差額三万円は安い。

文字を打つだけなら、触らない

文章を書く、表計算をいじる、資料を作る。
この作業で画面に触れる必要が生じる場面が、思い当たらない。
スクロールはタッチパッドの二本指で足りる。範囲選択も、拡大縮小も、パッドのほうが正確。
指で画面をつまんで拡大したことは、この一年で数回しかない。

買ってから気づいた、地味な副作用

 

画面が指紋だらけになる

これ、想像以上にストレス。
一度触ると跡が残る。窓際の明るい席に座ったとき、光が当たって全部見える。
拭いても、また触る。いたちごっこ。
うちの住人のタケルは、クロスをパソコンケースに常備している。彼のパソコンだけ、いつもきれいに光っている。几帳面な人向けの機能かもしれない。

画面がグレアだと、映り込む

タッチ対応のモデルは、表面が光沢仕上げになっていることが多い。指の滑りをよくするため。
その代償で、蛍光灯と自分の顔が映る。
リビングの照明の下で作業していて、画面の中に自分の顔がうっすら見えたときの、あのなんとも言えない気持ち。集中が途切れる。
反射を抑えたフィルムを貼る手もあるが、貼ると指の滑りが少し悪くなる。何のためにタッチにしたのか分からなくなる。

本体が重くなる

タッチ機能を載せると、画面側に層が一枚増える。
同じ型番で比べると、二百グラムから三百グラム重い。ペットボトルの半分くらい。
毎日持ち歩く人には効いてくる。うちの住人で、通学に往復二時間かけている人は、この差を理由にタッチなしを選んでいた。
リュックを背負ったときの肩への食い込み方が違う、と言っていた。実際に両方担がせてもらったら、確かに分かった。

電池の持ちが、少し短い

画面の消費が増えるので、同条件で一時間前後の差が出る。
カフェで作業する人、電源のない教室にいる時間が長い人。この一時間は決して小さくない。
うちは全員部屋にいるので、あまり関係なかった。使う場所によって重みが変わる項目。

三万円を、別のところに使う

 

メモリを増やしたほうが、毎日効く

差額をどこに回すか。
迷わずメモリ。八ギガから十六ギガに上げると、体感が明確に変わる。
ブラウザのタブを二十個開いて、その裏で表計算を動かして、動画を流す。この状態で引っかかるかどうか。
タッチパネルは、あってもなくても作業速度は変わらない。メモリは毎日の待ち時間を削る。
うちの住人で、タッチなしのメモリ十六ギガを選んだユイが、一番快適そうに作業している。

保存容量も、あとから泣く場所

二百五十六ギガで足りると思って買って、半年で埋まった住人がいた。
写真、動画、資料。増える一方で、減らない。
五百十二ギガにしておけば、しばらく考えなくて済む。外付けを買い足す手間と金を考えると、最初から積んだほうが安い。

画面の質は、目に直結する

一日六時間見る画面。
解像度が上がると、文字の輪郭が滑らかになる。夕方の目の疲れ方が違う。
タッチできる画面より、きれいに見える画面のほうが、体に返ってくるものが大きい。

それでも買う価値がある人

 

会議で相手に画面を見せる仕事

向かい合って座り、画面を相手に向ける場面が多い人。
このとき、マウスもタッチパッドも使いにくい姿勢になる。指でさっと操作できるのは強い。
資料をめくりながら説明する。相手が指さした箇所を、そのまま拡大する。この流れが自然につながる。

ベッドや床で使う時間が長い

寝転がってパソコンを使う人。
タッチパッドを操作しようとすると、手首の角度が苦しい。画面に直接触れるほうが、体勢の自由度が上がる。
うちのカイトは、床に座って背中を壁につけて、膝の上にパソコンを置く姿勢が定位置。彼がタッチを一番使っているのは、この姿勢のせいだと思う。

スマホの操作が体に染みついている人

これは意外な発見だった。
うちの住人で最年少のリョウは、パソコンを触った経験が浅い。彼は無意識に画面へ手を伸ばす。
タッチパッドの操作を覚える前に、指で触る動作が先に来る。
スマホから入った世代にとっては、触れる画面のほうが自然なのかもしれない。この場合、タッチは学習の負担を減らす役に立つ。

一年後の答え合わせ

 

自分の使い方は、想像とずれる

売り場でデモ機を触ったとき、確かに便利だと感じた。あの感触に嘘はない。
ただ、店で数分触るのと、毎日八時間使うのでは、体の要求が違う。
数分なら楽しい動作が、八時間だと負担になる。この差を、買う前に想像するのは難しい。
だからこそ、機種選びのときは自分の姿勢を思い浮かべる。机に向かって座っているのか、床に転がっているのか。

次に買うなら、どうするか

画面が回転する機種を選ぶなら、タッチ付き。
普通の開き方しかしない機種なら、タッチなし。差額はメモリへ。
一年使った今、これが自分の答え。

先週、リビングでミオが課題を描いていた。
画面を平らに倒して、ペンで細い線を何本も重ねている。かりかりという音が、テレビの音の合間に混ざる。
その向かいでユイが、タッチなしのパソコンで論文を打っていた。指がキーボードから一度も離れない。
どちらも正解なんだよね。ただ、机の上で起きていることが全然違う。
自分のパソコンは、その二台のあいだで、画面に薄く指紋を残したまま置かれていた。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

屋根の下の知恵袋TOKYOシェアライフ

都内シェアハウス住民によるリアルな生活ハック発信中。
節約、家事、収納、コミュニティづくりまで、みんなで暮らすからこそ生まれる知恵を発信してます。

コメント

コメントする

目次