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ヒーター式とヒートポンプ式どっち?電気代と乾き方の実測比較

目次

洗面所のドアを開けたら、顔に熱風が当たった

冬の夜、洗濯機を回している最中に洗面所へ入った。
ドアを開けた瞬間、もわっとした熱気が押し寄せる。眼鏡が一瞬で曇った。
壁の温度計を見たら、三十一度。外は五度。
ここだけ真夏かよ
洗濯機の背面に手をかざすと、熱い風が吹き出している。乾燥運転の途中だった。
その部屋で歯を磨いていた住人が、額に汗を浮かべていた。彼は無言でタオルを首にかけていた。

シェアハウスで共用の洗濯乾燥機を二台使い分けてきた。一台目がヒーター式、二台目がヒートポンプ式。
同じ量の洗濯物を、同じ頻度で乾かして、両方の癖が体に入っている。
どちらを選ぶかは、使う回数で決まる。

仕組みが、根本的に違う

ヒーター式は、電熱線で空気を温めて、その熱風を衣類に当てる。ドライヤーと同じ原理。
ヒートポンプ式は、空気中の熱を移動させて使う。エアコンと同じ仕組み。除湿しながら乾かす。
前者は熱を作る。後者は熱を運ぶ。この違いが、電気代と乾燥温度の差を生む。

結論の分岐点

週に三回以上乾燥を使うなら、ヒートポンプ式。
月に数回、あるいは冬場だけなら、ヒーター式で足りる。
本体価格の差を、電気代で回収できるかどうかが判断の軸になる。

電気代の実測

一回あたりの差

うちの二台で、同じ量を乾かしたときの消費電力を比べた。
ヒーター式は、一回の乾燥でおよそ千五百ワット時から二千ワット時。
ヒートポンプ式は、同じ量でおよそ六百ワット時から八百ワット時。
一回あたりで、三十円から五十円ほどの差になる。

使用頻度で、逆転する

うちのシェアハウスは、乾燥を一日二回ほど使う。
月に六十回として、電気代の差は月二千円台。年間で二万五千円ほど。
本体価格の差は五万円だった。二年で回収した計算になる。
一人暮らしで週に一回なら、月の差額は二百円ほど。回収に二十年かかる。この場合、ヒーター式のほうが合理的。

季節でも変わる

ヒートポンプ式は、空気中の熱を利用する。
外気温が低いと、取り出せる熱が減る。冬場は効率が落ちる。
うちの記録では、真冬の消費電力が夏場より二割ほど増えていた。
それでもヒーター式より少ない。ただ、寒冷地では差が縮まる。

乾き方と、衣類への影響

温度が違う

ヒーター式は、庫内が七十度から八十度に達する。
ヒートポンプ式は、五十度から六十度ほど。
この二十度の差が、衣類の傷み方に出る。
うちのヒーター式で乾かしていた時期、Tシャツの首元が一年で伸びた。プリントがひび割れた住人もいた。
ヒートポンプ式に替えてから、この手の劣化が明らかに減った。

縮み方の差

綿の衣類は、高温で乾かすと縮む。
うちの住人が、お気に入りのシャツをヒーター式で乾かして、袖が二センチ短くなった。
低温で乾かせば、縮みは抑えられる。ゼロにはならないが、体感できる差がある。
乾燥機に入れられない衣類の範囲も、少し広がった。

乾燥時間は、ヒーター式が速い

これは逆になる。
高温で一気に乾かすヒーター式のほうが、時間は短い。
うちの実測で、同じ量を乾かすのに、ヒーター式が二時間、ヒートポンプ式が二時間半から三時間。
朝までに乾かしたい、という使い方なら、どちらでも間に合う。
出かける前の一時間で終わらせたい、という場面では、ヒーター式に分がある。

設置環境への影響

ヒーター式は、部屋を暑くする

冒頭の話。
ヒーター式は、熱と湿気を室内に放出する機種がある。
うちの洗面所は、乾燥運転中に室温が十度以上上がった。湿度も跳ね上がる。
夏場は地獄だった。洗面所に入るのが苦行で、住人が乾燥を使わなくなった時期がある。
換気扇を回しっぱなしにする、ドアを開けておくといった対処が要る。

結露とカビの原因になる

放出された湿気が、洗面所の壁に付く。
うちは一年目の冬、洗面所の天井に黒い点が出た。カビだった。
ヒートポンプ式は、内部で除湿して排水に流す。室内への湿気の放出が少ない。
二台目に替えてから、洗面所のカビが出なくなった。

設置場所が狭いと、ヒーター式は厳しい

うちの洗面所は二畳ほど。
この広さで熱と湿気を出されると、逃げ場がない。
広い脱衣所や、換気の良い場所なら、ヒーター式でも問題は小さい。
設置場所の広さと換気を、選ぶ前に確認する。

本体の作りと、手入れ

ヒートポンプ式は、本体が大きい

熱を移動させる部品が内部に入るので、筐体に余裕が必要になる。
うちの二台目は、一台目より奥行きが五センチ増えた。搬入のとき、玄関の幅がぎりぎりだった。
本体幅、奥行き、扉を開いたときの張り出し、搬入経路の最も狭い場所。この四つを測る。

フィルターの数が、増える

ヒートポンプ式は、熱交換の部分にもフィルターが入っている。
乾燥フィルターと合わせて、掃除する場所が二か所になる。
うちは、この二つ目のフィルターの存在に半年気づかなかった。開けたら、灰色の綿がびっしり詰まっていた。
乾燥時間が延びていた原因が、それだった。

ヒーター式は、構造が単純

部品が少ないぶん、故障する箇所も少ない。
修理費も安く済む傾向がある。
うちの一台目は、三年使って乾燥が止まったが、修理費は二万円台だった。
ヒートポンプ式で同じ部分が壊れると、五万円を超えることがある。

どちらを選ぶかの、実際の判断

乾燥を毎日使うなら

迷わずヒートポンプ式。
電気代の差が積み上がる。衣類の傷みも減る。室内環境への影響も小さい。
うちのように複数人で使う環境では、この選択以外にない。

洗濯だけで、乾燥はたまに

ヒーター式で足りる。
本体価格が安い。梅雨時や、急ぎのときだけ使うなら、電気代の差は誤差の範囲。
うちの住人で一人暮らしをしている人は、この判断でヒーター式を選んだ。二年経って、後悔はしていないと言っている。

設置場所が狭く、換気が悪いなら

使用頻度が低くても、ヒートポンプ式を検討する価値がある。
熱と湿気の放出が、住環境に直接影響する。
うちの洗面所のカビは、実際に住人の健康の話になりかけた。この点だけは、電気代の計算とは別に考える。

買う前に確認する三点

乾燥容量を、洗濯容量と混同しない

十キロ洗える機種でも、乾燥できるのは五キロまで、という設計が多い。
うちは満杯のまま乾燥まで回して、中で洗濯物が団子になった。乾かない上に、本体が揺れた。
乾燥まで使うなら、洗濯容量の半分までと考える。

排水と設置の条件

ヒートポンプ式は、除湿した水を排水に流す。
排水経路が正常でないと、内部に水が残る。
設置のとき、水平が取れているかも重要になる。傾いていると、排水がうまくいかない。
うちは設置時に水平器で確認してもらった。スマホのアプリでも足りる。

実際の運転音

ヒートポンプ式は、圧縮機が動く音がする。低い唸り。
ヒーター式は、送風の音が中心。
音の種類が違うので、どちらが気になるかは人による。
うちは深夜に回すことがあるので、店頭で両方の音を確認した。二階の部屋まで響く音かどうかは、置いてみないと分からない部分もある。

先月、洗面所のドアを開けたら、眼鏡が曇らなかった。
中では乾燥運転が回っている。壁の温度計は、二十一度。
背面に手をかざすと、ぬるい風がわずかに出ているだけ。
「これ、動いてます?」
動いてるよ。三時間後には乾いてる。
洗面台の鏡は、いつも通りの顔を映していた。

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この記事を書いた人

屋根の下の知恵袋TOKYOシェアライフ

都内シェアハウス住民によるリアルな生活ハック発信中。
節約、家事、収納、コミュニティづくりまで、みんなで暮らすからこそ生まれる知恵を発信してます。

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