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ドラム式洗濯機をマンションで夜中に回すのはアリ?騒音を抑える設置術

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脱水が始まった瞬間、床がかすかに震えた

夜10時すぎ、仕事から帰ってドラム式洗濯機を回した。洗いまでは静かだった。脱水に入った途端、足の裏に伝わる細かい振動で、思わず洗面所の床に手をついた。

都内のマンションのシェアハウスに住むKさん(20代)の話だ。「ゴオオって低い唸りが床から這い上がってくる感じで。下の階、これ響いてないかなって一気に血の気が引きました。次の日、ポストに苦情の手紙が入ってたらどうしようって、その晩あんまり眠れなくて」。

ドラム式洗濯機をマンションで夜中に回していいのか。検索する人の不安は、たいてい二つだ。下の階や隣に響いていないか。そして、夜中に回すこと自体がマナー違反なのか。この記事は、その不安を設置と時間帯と機種の三つの面から解きほぐす。先に言っておくと、夜中の使用は工夫次第で十分にアリだ。ただし、何もしないまま回すのは賭けになる。

うるさいのは洗いより脱水、響くのは音より振動

まず、敵の正体を正確に知ることから始めたい。

ドラム式洗濯機が出す音は、大きく回転による振動音と水流の動作音に分かれる。このうち夜中に問題になるのは、圧倒的に脱水時の振動だ。ドラムが高速で回転すると、その揺れが洗濯機の足から床へ、床から壁へと伝わり、建物全体に響く。

ここが肝心なところで、近隣を悩ませるのは空気を伝う音より、床や壁を伝う振動であることが多い。だから対策の本命は、防音の壁を作ることではなく、振動を床に伝えない工夫になる。空気音をいくら塞いでも、固体を伝わる振動は止まらない。この理解がないと、対策がずれる。

夜中でも響かせない、設置の三段構え

防振マットで足元の振動を断つ

最も効果が高く、すぐできる対策が防振マットだ。

洗濯機の下に防振ゴムや専用マットを敷くだけで、足からダイレクトに床へ伝わる振動が吸収される。工事はいらない。敷くだけだ。実際に使った人のレビューには、洗濯機が動いているのかすらわからないレベルに改善した、という声もある。硬い床に直置きしている状態は、振動を増幅するスピーカーの上に洗濯機を載せているようなもの。マット一枚を挟むかどうかで、下階への伝わり方がまるで変わる。

数千円の防振マットが、苦情の手紙一通を防ぐと思えば安い投資だ。Kさんが最初に手を打ったのも、これだった。

防水パンの扱いが、意外な分かれ目

これは知らない人が多い盲点だ。賃貸やマンションに備え付けられている、洗濯機の下の水受け、防水パン。これが振動の伝達経路になっていることがある。

防水パンと洗濯機の足が接していると、パンを通じて振動が床に伝わり、騒音の一因になる。洗濯機設置の専門業者から、パンがないほうが静かになると教わったという体験談もある。取り外せるタイプなら外して、防振の高さ出しアイテムを足に履かせる方法もあるが、これは洗濯機が非常に重いため一人では難しい。搬入時に作業員に頼んで設置してもらうのが現実的だ。

防水パンは水漏れ対策として意味があるので、安易な撤去は管理規約の確認とセットで考えたい。まずは防振マットで様子を見て、それでも響くなら次の手として検討する順番がいい。

水平と詰め込みすぎの確認を忘れずに

道具を足す前に、ただで効く確認もある。

洗濯機がわずかに傾いていると、脱水時の揺れが大きくなる。脚の高さを調整して、本体を完全に水平に保つ。これだけで振動が収まることがある。

洗濯物の入れすぎや偏りも、音を大きくする原因だ。容量を超えて詰め込むと、脱水時に重心が偏ってドラムが暴れ、ガタガタと激しく振動する。洗濯ネットに大量に詰めるのも偏りのもとになる。適量を守って回す。当たり前のようでいて、夜中の騒音対策としては一番効く基本だ。

マンションの構造と時間帯という、動かせない前提

鉄筋でも油断はできない

建物の構造で、音の伝わりやすさは大きく変わる。

鉄筋コンクリート造は比較的音が響きにくいが、それでも防振対策や設置状況次第では、下の階や隣室に振動が伝わる。鉄骨造や木造の集合住宅なら、防音性能が落ちるぶん、配慮の必要はさらに増す。自分のマンションが頑丈だからと油断して直置きで回すと、思わぬところに響いていることがある。

鉄筋だから大丈夫、という思い込みは捨てたほうがいい。構造は対策をしなくていい理由ではなく、対策の効きやすさの違いにすぎない。

23時という、心理的な境界線

時間帯の話も避けて通れない。音は、同じ大きさでも時間帯で感じ方がまるで変わる。

一般に夜23時以降、深夜0時を過ぎると、生活音への意識が高まって音に敏感になる住人が増える。昼間なら気にならない脱水の振動が、静まり返った深夜には際立つ。鉄筋コンクリート造でも、夜中の洗濯が苦情やトラブルのきっかけになりうる。

ひとつの目安として、回し始めを22時より前に設定し、脱水と乾燥が深夜の早い時間に終わるよう逆算する。タイマー機能を使えば、帰宅が遅くても運転の山場を常識的な時間帯に収められる。深夜2時に脱水のピークが来る回し方だけは、避けたい。

機種選びで、そもそもの音を下げる

ナイトモード搭載モデルという選択

これから買うなら、静音性で選ぶ手がある。

最新のドラム式洗濯機やナイトモード、静音モード搭載モデルは、夜間使用を想定して音が出にくく作られている。多少洗浄力が落ちる可能性はあるが、よほどしつこい汚れでなければ日常使いに支障はない。夜中に回すことが多いとわかっているなら、この機能の有無は購入時の優先事項にしていい。

ただし注意したいのは、ナイトモードでも振動対策が不足していれば下階に響くという点だ。静音モデルを買えば設置はどうでもいい、ではない。機種の静音性と防振マットの設置は、両輪で考える。

つけおきの時間を、夜に逃がす裏技

夜中に音を出さずに洗濯機を活用する、ちょっとした工夫もある。

槽洗浄コースなどは、数時間のつけおき時間が発生する。このつけおきの静かな時間が深夜に来るよう逆算してセットすれば、音の出る工程を避けつつ、夜のうちに作業を進められる。音が鳴らない工程と、人が眠る時間を重ねる発想だ。

シェアハウスの共用洗濯機で決まった、夜のルール

Kさんのマンションのシェアハウスでは、あの眠れない夜のあと、共用洗濯機をめぐる話し合いがあった。

共用だと、誰がいつ回すかがバラバラになる。深夜にシフト明けで帰ってきたメンバーが回すこともある。下の階は別世帯で、シェアハウス全体への評価に関わる。「自分一人の問題じゃなくて、家全体で下の階に迷惑をかけてないかって話になったんです」。

決まったのは、防振マットを共用洗濯機に敷くこと、そして洗濯機の稼働は原則22時までという緩い目安だった。どうしても遅くなる日は、音の小さい洗いだけ夜にやって、脱水と乾燥は翌朝に回す。費用はマット代を全員で割っただけ。それ以来、下の階からの苦情はゼロだという。

取材で見えてきたのは、夜中のドラム式は禁止すべきものではなく、設計するものだという事実だった。防振マットで振動を断ち、水平を取り、適量で回し、時間帯を逆算する。この四つを押さえれば、夜の洗濯は近隣との摩擦なく成立する。Kさんは今、22時前にタイマーをかけて、脱水の唸りを気にせず眠れている。床に手をついて様子をうかがった夜は、もう過去のものだ。

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屋根の下の知恵袋TOKYOシェアライフ

都内シェアハウス住民によるリアルな生活ハック発信中。
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