MENU

ワイヤレスイヤホンの充電ケースが充電できない時に効いた8手順

目次

朝七時、ケースのランプが沈黙した

出勤十分前。充電ケースを開けたら、緑のはずのランプが点かない。
イヤホンを耳に入れても無音。左だけ生きていて、右が死んでる。
ケーブルを挿し直す。反応なし。抜いて、挿す。やっぱりなし。
(今日、電車で何聴けばいいんだよ)
玄関で靴を履きながら、指先がケースの端子をこすっていた。まだ何もわかっていないのに、とりあえず触っていた。あの無意味な動作、たぶん誰でもやる。

共同生活だと、この手のトラブルの目撃例が勝手に溜まっていく。住人六人ぶんの故障とその顛末を三年ぶん見てきて、原因の内訳がかなりはっきりしてきた。
本体の故障は、実はいちばん少ない。

まず切り分ける。ケースが充電されないのか、イヤホンが充電されないのか

ここを混ぜると迷子になる。
ケースをケーブルにつないでもランプが反応しないなら、ケース側の受電の問題。
ケースは充電されているのに、イヤホンを戻しても減っていく一方なら、ケースからイヤホンへの給電の問題。まったく別の話。
うちの住人で多かったのは後者。そして後者の原因は、九割がた汚れだった。

ケーブルとアダプタから疑う

ケーブルは、別の機器で試す

断線したケーブルは見た目でわからない。被膜の中で芯線だけ切れていることがある。
根元を指で持って、ゆっくり曲げながら通電を見る。特定の角度で充電が始まるなら、そこが切れかけ。
一番早いのは、スマホの充電に使えるか試すこと。スマホが充電できてイヤホンケースだけ反応しないなら、ケーブルはシロ。
うちの住人のミナが半泣きでケースを叩いていた日、原因はケーブルだった。百円ショップで買った細いやつ。取り替えたら三秒で充電が始まった。あの脱力した顔は忘れない。

高出力アダプタが、逆に足を引っ張る

これは意外と知られていない。
スマホ用の急速充電アダプタは、機器と通信して電圧を上げる仕組みを持つ。ワイヤレスイヤホンのケースは小さなバッテリーしか積んでいないので、そのやりとりがうまく成立せず、給電が始まらないことがある。
パソコンのUSBポートに挿してみる。あるいは五ワット程度の古いアダプタ。
出力が低いほうが確実に入る、という逆転が起きる。
タケルのケースがまさにこれで、彼は一週間ケースが壊れたと思い込んでいた。

ワイヤレス充電パッドは、位置が一ミリでずれると入らない

置くだけで充電できるタイプ。パッドの中心とケースのコイルが重なっていないと、電力が渡らない。
ケースを置いたあと、数ミリずつ動かして、ランプが点く位置を探す。
ケースにカバーをつけている人は外す。厚さ三ミリを超えると、それだけで届かなくなる。
金属製のリングやカードが挟まっていたら論外。熱を持つだけで一切充電されない。

端子の汚れが、想像の三倍たまっている

ケースの充電口に、綿ぼこりが詰まっている

ポケットやカバンに入れて持ち歩いていれば、口の中に繊維が入る。
自分のケースをライトで照らして覗いたとき、奥に灰色の塊が見えて、ぞわっとした。
爪楊枝の先で少しずつ掻き出す。金属のピンは使わない。中の端子を傷つけたら終わり。
掻き出したあと、エアダスターがあれば吹く。ないなら、口をすぼめて息を強く吹き込むだけでもだいぶ出る。
これだけで復活した例が、住人のあいだで四件あった。四件だよ。

イヤホン側の金色の点を、消しゴムでこする

イヤホン本体の底についている、小さな金色の接点。ここに耳垢と皮脂が積もる。
綿棒を無水エタノールで湿らせて拭く。水は使わない。
それでも反応が戻らないときは、鉛筆用の消しゴムの角で軽くこする。酸化した膜が削れて、金属の光が戻る。強くやると剥がれるので、力は入れない。
片耳だけ充電されない症状は、ほぼこれで解決する。左右で汚れ方に差が出るのは、耳の中の湿り具合が左右でちがうから。

ケースの底のピンが、沈んだままになっていないか

ケースの内側、イヤホンを置くくぼみの底にある金属のピン。ばねで少し飛び出す構造になっている。
指の腹で押して、戻ってくるか確かめる。押したまま沈んで戻らないなら、内部に汚れが詰まっているか、ばねがへたっている。
爪楊枝で周囲の汚れを取ると、戻ることがある。戻らなければ修理案件。

リセットで直る症状がある

両方入れて、蓋を閉めて、十五秒

ソフト側の不具合で、充電の制御が止まっていることがある。
イヤホンを両方ケースに戻し、蓋を閉じる。十五秒待って開ける。これだけで復帰する例が実際にある。
それで駄目なら、ケースの裏側のボタンを長押しする。十秒から二十秒ほど押し続けると、ランプが白と赤で交互に点滅する。工場出荷状態に戻る合図。
このあとスマホのブルートゥース設定から、そのイヤホンの登録を削除して、もう一度ペアリングし直す。登録を消さずに再接続すると、古い設定が悪さをして同じ症状が続く。

完全放電したケースは、三十分待つ必要がある

バッテリーがゼロまで落ちきると、保護回路が働いて、つないでもすぐには反応しない状態になる。
挿してランプが点かなくても、そこで諦めない。三十分から一時間、つないだまま放置する。
うちのケースは四十分後に、ふっとランプが点いた。あのときの、ああそういうことか、という感じ。
何度も抜き差しするのが一番よくない。挿したまま、放っておく。

季節と置き場所が、原因になる

真夏の車内と、真冬の窓際

リチウムイオンのバッテリーは、温度が高すぎても低すぎても充電を受け付けない。安全のために回路が止める。
夏の車の中に置きっぱなしにしたケースが、家に持ち帰ってもしばらく充電されなかったことがある。室温に戻して一時間置いたら、普通に入った。
冬の窓際も同じ。冷えきったケースは、いったん手のひらで温める。
壊れたと思い込む前に、ケースの温度を触って確かめる。ぬるいのか、冷たいのか。

蓋の磁石まわりに、金属の粉がついていないか

ケースの蓋は磁石で閉まる。その磁石が、カバンの中の砂鉄や金属片を吸い寄せる。
それが蓋の噛み合わせに挟まると、閉じたつもりで数ミリ浮く。イヤホンが正しい位置に収まらず、給電が始まらない。
セロハンテープを貼って剥がすと、細かい粒がごっそり取れる。ざりっとした感触が指に残った。
蓋を閉めたとき、かちっと音がするか。音が鈍いなら、この線を疑う。

直らないと判断する線引き

ケースが熱い、膨らんでいる

充電中に持てないほど熱を持つ。蓋の閉まりが悪くなり、平らな机に置くとぐらつく。
この二つが出たら、バッテリーが膨張している。使用をやめる。
分解しようとしない。リチウムイオンのバッテリーは、傷をつけると発火する。
自治体の回収か、家電量販店の小型家電回収ボックスへ持っていく。

二年使ったなら、修理より買い替え

ケースのバッテリーは、毎日充電して二年前後で目に見えて持ちが落ちる。
メーカーの修理費が本体価格の半分を超えるなら、新しいものを買ったほうがいい。保証期間内なら迷わず問い合わせる。
片耳だけ紛失や故障の場合、片側だけ購入できるメーカーがある。問い合わせる価値はある。

捨てる前に、もう一度だけ端子を見る

これだけは言っておきたい。
住人のユカリが、壊れたと言ってケースをゴミ袋に入れようとしていた。拾い上げて、ライトを当てて中を覗いた。
ぎっしり詰まっていた。灰色の繊維の塊が、両側のくぼみの底に。
爪楊枝で掻き出して、綿棒で拭いて、ケーブルを挿した。
ランプが、ぽっと緑に点いた。
「うそでしょ」
台所の蛍光灯の下で、彼女はケースを両手で持ったまま、しばらく動かなかった。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

屋根の下の知恵袋TOKYOシェアライフ

都内シェアハウス住民によるリアルな生活ハック発信中。
節約、家事、収納、コミュニティづくりまで、みんなで暮らすからこそ生まれる知恵を発信してます。

コメント

コメントする

目次