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ダイソーの突っ張り棒は家具転倒防止に使えるか|実測で出た答え

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天井に当てた瞬間、ボードがへこんだ

共用の棚を固定しようとした日曜の午後。
百円ショップで買ってきた突っ張り棒を、棚の上と天井のあいだに立てた。
くるくる回して伸ばしていく。手ごたえが硬くなったところで、あと半回転。
みしっ。
天井のほうから、聞き慣れない音がした。見上げると、棒の先が当たっている部分の白い板が、直径三センチほど内側にへこんでいた。
あ、これ、めり込んでる
慌てて緩める。指先の汗で、棒が滑った。
その日、支えるつもりが天井を痛めただけで終わった。

シェアハウスで三年、住人の部屋を含めて棚の固定を六回やった。百円ショップの突っ張り棒を使った回、使わなかった回、両方ある。
どこまで期待していいかの線が、はっきり見えている。

二種類の棒が、同じ棚に並んでいる

これが混乱の元。
カーテンや収納に使う、細い棒。直径二センチ前後で、白い樹脂の先端が付いている。
家具転倒防止と書かれた、太くて短い棒。こちらは受け止められる荷重が桁違い。
値段も違う。前者は百十円から二百二十円。後者は百円ショップでは扱いが限られていて、置いていない店舗もある。

細い棒は、家具を支えない

先に言い切る。カーテン用の細い突っ張り棒に、地震で棚を支える力はない。
あれは、下向きに軽い物を吊るすために作られている。横から押される力を受け止める設計になっていない。
地震の瞬間、高さ百八十センチの棚が前に倒れようとする力は、想像よりずっと大きい。細い棒は、その前に曲がるか、外れて飛ぶ。

実際に押して、確かめた

 

手のひらで押すと、簡単にずれた

細い突っ張り棒を棚の上に立てて、棚の胸の高さを両手でゆっくり押してみた。
最初は少し抵抗がある。力を加え続けると、棒の上端が天井の上をずるっと滑った。
支えているのは、天井と棒の先端の摩擦だけ。荷重が横にかかった瞬間、その摩擦が負ける。
うちの住人が同じことを試して、棒が斜めに傾いてから床に落ちた。かんという音が響いた。

天井の材質で、結果が変わる

うちのリビングの天井は石膏ボード。厚みは一センチほど。
細い棒の先端は接地面積が小さい。そこに力が集中すると、ボードのほうが先に負ける。
冒頭のへこみは、そうやってできた。
下地の木材が入っている位置なら話が変わる。ただ、その位置を正確に見つけるのは簡単ではない。

下地を探す道具がある

壁や天井の下地を探すための小さな器具が、ホームセンターで千円前後で売っている。
細い針を刺して、手ごたえで下地の有無を判断するもの。
うちは買った。天井に針の穴が残るが、直径は一ミリに満たない。
下地は四十五センチ間隔で入っていることが多い。一本見つかれば、そこから測って次が分かる。

百円ショップで、本当に効くもの

 

耐震ジェルマットは働く

突っ張り棒より、こちらのほうが確実に効いた。
一袋四枚で百十円。脚の裏に貼って、床との滑りを止める。
スチールラックの脚は接地面が小さいので、ハサミで丸く切って、脚より一回り大きくする。
貼る前に、床とジェルの両面をアルコールで拭く。埃が一粒挟まるだけで食いつきが落ちる。
半年に一度、剥がして水洗いする。粘りが戻る。

結束バンドで、支柱を固める

スチールラックの弱点は、横から押されたときに平行四辺形へひしゃげること。
背面に細いワイヤーを対角線に張って、四隅を結束バンドで支柱に縛る。
押したときの感触が変わる。ぐにゃりと逃げていたのが、押し返してくる硬さになる。
バンドは指ではなくラジオペンチで引く。あと三ミリ入る。その三ミリで密着する。

すき間を埋めるという発想

棒で突っ張るのではなく、隙間を詰める。
棚の上と天井のあいだが十センチ以内なら、そこに衣類を詰めた段ボールや、畳んだ毛布を押し込む。
棚が前に傾こうとしても、天井に引っかかって角度がつかない。
うちはこの方法を採用した。費用ゼロ。突っ張り棒より、はるかに確実だった。
すき間が三十センチも空いているなら、この手は使えない。棚の高さを下げるほうが早い。

細い突っ張り棒の、正しい使い道

 

棚板の前面に、横一本

支えるのではなく、落下を止める。
棚の前面に横向きに渡して、物が手前へ飛び出すのを受け止める柵にする。
高さは棚板から十センチほど。一段につき一本。
物が落ちた瞬間に重心が動いて、次の揺れが大きくなる。その連鎖を断ち切る役目。
うちは各段に一本ずつ渡している。取り出すときは少し持ち上げて越えさせる。慣れると考えずにやっている。

ワイヤーネットを縛って、面を作る

三十センチ角のワイヤーネットを、結束バンドで棚の側面に固定する。
棚の横っ腹に硬い面ができて、ねじれにくくなる。
見た目は倉庫っぽくなる。機能を取るか、部屋の雰囲気を取るか。
うちは共用スペースの棚だけこれをやった。自室にはやっていない。

収納の中で使うぶんには問題ない

押し入れの中、クローゼットの中。
軽い物を吊るす、仕切りを作る。本来の用途で使うなら、百円ショップのもので十分に働く。
落ちてくるとしても、被害が小さい場所を選ぶ。頭上に重いものがない位置。

本気で支えるなら

 

専用のポールは、太さが違う

家具転倒防止用として作られた突っ張りポール。
二本組で二千円前後。ホームセンターや家電量販店に置いてある。
太さが五センチ以上あり、天井に当たる面が広い。荷重が分散される。
うちは共用の棚に一組使っている。百円ショップの道具で作った土台に、これを一組足した形。
総額は三千円に届かない。

設置場所を、間違えない

ポールは、棚の奥側の両端に立てる。
手前に立てると、棚が前に倒れようとする力を受け止められない。
天井の下地がある位置に合わせる。下地を外すと、ボードを突き破る。
うちは板を一枚挟んで、力を分散させている。まな板で代用できる。

ポールだけでは、まだ足りない

突っ張りポールは、上を押さえるだけ。
脚が滑れば、棚全体が動く。ジェルマットとの併用が前提。
上下から挟む形にして、はじめて棚が動かなくなる。
うちは、ポールとジェルマットと連結の三つを組み合わせている。

百均で完結できる条件

 

高さ百五十センチ以下

判断の目安を置いておく。
高さ百五十センチ以下で、上段が軽い棚。この条件なら、百円ショップの道具と積み替えだけで立つ。
超えるなら、ジェルマットも結束バンドも補助部品でしかない。
うちの共用ラックは百八十センチだった。だから連結と、天井のすき間埋めで、高さの不利を打ち消しにいった。

重心を下げるのが、いちばん効く

道具を買う前にやること。
うちの棚は目線の高さに土鍋とホットプレートが載っていた。高い位置の重い物は、小さな揺れを大きな振れに増幅する。
土鍋を最下段へ。乾物と紙皿を最上段へ。作業時間は十五分。
その後に来た揺れで、棚の鳴り方が明らかに静かになった。費用ゼロ。

棚そのものを、低くする

スチールラックはバラせる。
四段を三段にして、余った支柱を抜く。高さを物理的に落とす。
うちは百八十センチを百四十まで下げた。作業は四十分ほど。
高さが減ると、倒れようとする力そのものが小さくなる。転倒防止グッズを買い足すより、根っこを削るほうが早い。
収納量は減る。でも、天井をへこませた午後を思い出すと、安いもの。

先週、住人のミオが自室の棚を組み替えていた。
支柱を一本抜いて、四段を三段にする。脚の裏に、丸く切ったジェルを貼る。
最後に、天井とのすき間に畳んだ毛布を押し込んだ。
「突っ張り棒、いらなかったですね」
彼女が両手で棚を押した。一往復だけ揺れて、そのまま止まった。

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この記事を書いた人

屋根の下の知恵袋TOKYOシェアライフ

都内シェアハウス住民によるリアルな生活ハック発信中。
節約、家事、収納、コミュニティづくりまで、みんなで暮らすからこそ生まれる知恵を発信してます。

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