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柔軟剤の捨て方、残った分を流していいのか迷ったときの答え

「これ、流していいんですかね」
洗面所でリナさんが持ち上げたのは、八分目まで残った柔軟剤のボトル。買ったのは春で、今は八月。
香りが合わなかったらしい。干した部屋に入るたび、鼻の奥がつんとして眉が寄る。それでも一リットル近く残っていると、捨てる決心がなかなかつかない。
シンクへ傾けかけた手を、思わず止めた。とろりとした液体が排水口へ落ちていく光景を想像したら、それはさすがにまずい気がしたから。
勘は当たっていた。ただし、正解は流すか流さないかの二択ではなかった。

目次

流していいかどうかは、量で決まる

底に少し残っている程度なら、水と一緒に

ボトルの底に一センチ。この量なら排水口へ流して構わない。
条件がひとつあって、原液のまま落とさないこと。蛇口から水を出しながら、少しずつ。
目安として案内されている数字がわかりやすい。液体五十ミリリットルに対して、水五リットル。蛇口を軽くひねったときに出る水はおよそ一秒で二百ミリリットルだから、二十秒から三十秒ほど流し続ける計算になる。
窓を開けるか換気扇をまわして、できればゴム手袋。柔軟剤は目に入ると痛い。

一気に落とすと、泡が戻ってくる

粘り気のあるものを勢いよく流すと、排水管の中で泡になる。
洗面台の下でもこもこと膨らんで、排水が遅くなる。ひどいときは翌朝まで香りが上がってくる。
原液が管の内側に張りついたままだと、素材によっては傷める。塩ビの古い配管ほど無防備。
急いで片づけたい気持ちはわかるものの、ここで節約できる時間は三十秒ほど。焦る理由がない。

半分以上残っているときの手順

吸わせて、可燃ゴミへ

残量がまとまっているなら、排水に流すのはやめておく。メーカーが案内している方法は、新聞紙や古布に染み込ませて燃えるゴミに出すこと。
手順は単純。ポリ袋を二重にして、中に丸めた新聞紙か着古したTシャツを詰める。そこへ少しずつ注ぐ。
一度に全量を入れると吸いきれずに袋の底へ溜まる。三回くらいに分けて、途中で紙を足す。
最後に袋の口をきつく縛って、もう一枚の袋へ。ゴミ収集車の中で潰れることを考えると、二重は過剰ではない。

乾かしてから出す、という現場の声

ここで知っておくと役に立つ話がある。
大田区の担当部署に問い合わせた人の記録によると、基本的に液体はゴミに出せない、新聞紙や布に含ませるだけでなく乾かしてから出してほしい、という回答だったという。
吸わせた紙を袋の口を開けたままベランダに一日置く。湿り気が抜けてから縛る。それだけで扱いがまるで違う。
自治体によって細かい指示は変わるので、大量に処分するなら一度確認しておいたほうが早い。電話一本で済む。

詰め替えパックが残っている場合

袋のまま捨てたくなるけれど、中身が入っていれば同じ扱い。吸わせてから。
どうしても中身を出せない形状なら、注ぎ口をテープでしっかり塞いで、ビニール袋に入れて縛る。運搬中に破れるのを防ぐため。
空になったパックは、プラマークがあれば資源ゴミへ。ただし内側に液が残っていると資源として扱えない自治体もある。軽くすすいで乾かす。

容器の分別で、つまずくところ

ボトルはすすいでから

洗剤や柔軟剤のボトルには、たいていプラマークが印刷されている。容器包装プラスチックとして資源回収に出せる。
条件は、中身が残っていないこと。水を入れて振って捨てる、を二回ほど。すすいだ水は排水に流して問題ない。
自治体によっては可燃ゴミに区分している。プラ資源の回収がない地域では、無理に分けようとせず、案内どおりに出せばいい。

キャップとポンプは別扱いのことがある

見落としがちなのがここ。
キャップやポンプ部分に金属のばねが入っていると、素材が混ざるので分けて出す指定がある地域も。
計量キャップは本体と同じプラスチックのことが多く、外して一緒に資源へ。判断がつかないときは可燃で出しておくほうが、回収現場の手間は少ない。

捨てる前に、行き先を三つ探す

未開封なら、まだ手放せる

もらいものが箱で残っている、というケースは意外と多い。
未開封であれば、フリマアプリで動く。日用品は送料負けしやすいので、数本まとめてが基本。
近所に譲る手もある。生活支援をしている団体や社会福祉協議会で、日用品の寄付を受け付けているところがある。開封済みは受け取ってもらえないので、確認してから持ち込む。
そして目安の話。未使用のものは三年以内、開封済みは一年以内に使い切ることがすすめられている。押し入れの奥で五年寝ていたものは、人に渡す段階を過ぎている。

開封済みでも、使い道は残っている

香りが強すぎて衣類に使えない。そういう柔軟剤は、洗濯以外へまわす。
バケツの水に数滴だけ落として、雑巾を絞って床を拭く。静電気が起きにくくなって、ホコリが寄りつきにくくなる。フローリングがべたつくので、量はほんとうに数滴。
玄関のたたきや窓のサッシにも使える。掃除用に転用すれば、一リットルでもわりと早く消える。
においが苦手で手放すのに掃除で嗅ぐことになるじゃないか、という反論はもっともで、そこが引っかかるなら素直に処分に回す。

薄めてスプレーにするときの注意

水で薄めて消臭スプレーにする方法もよく見かける。作るなら使い切れる量だけ。
柔軟剤は防腐設計が消臭スプレー用ではないので、薄めたものを常温で放置すると雑菌が増える。作り置きは一週間まで。
衣類に直接吹くのは避けたほうが無難。シミになる素材があるし、肌に触れる面に原液に近い濃度が残る。

やらないほうがいい処分の仕方

洗濯機に流し込んで消費する

いちばんやってしまいがちな方法。空回しで一気に使い切ろうとする。
柔軟剤の投入口は、規定量が少しずつ出るように設計されている。大量に入れると流れきらずに残り、そこがカビと臭いの温床になる。
配管の内側に残ったものは、次の洗濯で衣類に戻ってくる。手放したかった香りが、なぜかタオルに移っている。
最悪の場合は機械の不調につながる。処分のつもりが修理代に化けるのは、割に合わない。

他の洗剤と混ぜてまとめて流す

洗面所の掃除ついでに、余った洗剤も漂白剤もまとめて排水へ。この発想が危ない。
塩素系の漂白剤と酸性のものが混ざれば有毒なガスが出る。排水管の中で起きても、上がってくるのは自分がいる部屋。
処分は一種類ずつ、あいだに水を十分流す。同じ日にまとめて片づけたいなら、時間をずらす。
ついでにもうひとつ。トイレに流すのも避けたほうがいい。泡が立つと水位の動きがおかしくなる。

そもそも余らせないために

香りは、季節をまたぐと合わなくなる

リナさんが余らせた理由が象徴的だった。春に選んだ甘い香りが、湿度の高い八月にはきつく感じる。
気温が上がると、揮発するにおいの量が増える。同じ製品でも、届き方が変わる。
特売でまとめ買いした詰め替えが三袋残っている、という状態は、この季節差を計算に入れていないから起きる。

買う量を、ひと月で区切る

現実的な線として、詰め替えは常にひとつだけストックする。それ以上は買わない。
新しい香りを試すときは、いちばん小さいサイズ。数十円の差でしかない。
使い切ってから次を買う。この順番を守っているだけで、洗面所の下に未開封の箱が積み上がる状況は起きにくくなる。
リナさんの一本は、古いバスタオルに三回に分けて吸わせて、ベランダで一晩乾かしてから袋に入れた。翌朝の可燃ゴミに出したとき、少しだけ名残惜しそうな顔をしていたのが印象に残っている。

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屋根の下の知恵袋TOKYOシェアライフ

都内シェアハウス住民によるリアルな生活ハック発信中。
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