共用キッチンにタンク式の食洗機を導入した住人が、使い始めて一週間で、少しうんざりした顔をしていた。「工事いらずで簡単に置けたのはよかったんだけど…」水道工事が不要で、コンセントさえあれば置ける手軽さに惹かれて選んだ。ところが、毎回、上の給水口に水を注ぐ作業が、思った以上に面倒だという。(こんなに毎回水入れるとは思わなかった)ピッチャーで水を汲んで、食洗機のタンクに注ぐ。この一手間が、毎回ついて回る。工事不要という最大の魅力の裏に、給水の手間という、無視できない弱点が隠れていた。食洗機のタンク式のデメリットを知らずに、手軽さだけで飛びつくと、この毎回の給水に、じわじわ疲れることになる。
工事いらずで飛びついたら、毎回の給水に疲れた
きっかけは、その給水の手間だった。工事不要の手軽さで選んだのに、毎回水を注ぐ作業が面倒だという。手軽さと引き換えに、別の手間を背負っていた。導入の決め手が、使ってみると弱点に変わっていた。
毎回、上から水を注ぐのが面倒
タンク式の食洗機は、使うたびに、上部の給水口に水を注ぐ必要がある。分岐工事をした食洗機なら、水道から自動で給水されるが、タンク式は、自分で水を入れる。ピッチャーやカップで水を汲んで、タンクに注ぐ。この作業が、毎回ついて回る。(また水入れるのか)食器を入れて、洗剤を入れて、さらに水も注ぐ。この一手間が、使うたびに積み重なる。一回だけなら大したことないが、毎日、毎食となると、地味に面倒だ。食洗機は、手間を減らすために導入したはずなのに、給水という新たな手間が生まれる。この毎回の給水が、タンク式の、いちばん実感する弱点だった。手軽さの裏の、隠れた手間だ。
手軽さの裏に、隠れた手間があった
タンク式を選ぶ最大の理由は、工事がいらない手軽さだ。水道の分岐工事は、費用もかかるし、賃貸だと大家の許可も要る。その工事を飛ばして、コンセントだけで置けるのは、大きな魅力だ。ところが、その手軽さと引き換えに、毎回の給水という手間を引き受けることになる。工事の手間を、給水の手間に、付け替えたようなものだ。導入は簡単でも、日々の使用に、ひと手間が加わる。この、導入のしやすさと、日々の面倒さの、トレードオフを知らずに選ぶと、後悔する。手軽に置けた喜びは最初だけで、毎回の給水が、じわじわ効いてくる。手軽さの裏に隠れた手間を、見落としてはいけなかった。
タンク式最大のデメリットは、給水の手間
タンク式食洗機の弱点は、いくつかあるが、最大のものは、この給水の手間だ。ここは言い切る。毎回水を注ぐ面倒さが、タンク式を選ぶかどうかの、最大の分かれ目になる。
使うたびに水を汲む、その積み重ね
給水の手間は、一回一回は小さくても、積み重なると大きい。毎日、食事のたびに食洗機を使うなら、その回数だけ、水を汲んで注ぐ作業が発生する。ピッチャーで水を汲み、食洗機まで運び、タンクに注ぐ。こぼさないように気をつけながら、必要な量を入れる。この一連の動作が、毎回だ。塵も積もれば山となる、で、この小さな手間が、日々の負担になる。食洗機を導入する目的は、食器洗いの手間を減らすことだ。その手間を減らした分、給水の手間が増えるなら、差し引きの効果は、思ったほど大きくないかもしれない。使うたびの給水が、タンク式の宿命だ。この積み重ねを、許せるかどうか。
給水を忘れると、途中で止まる
給水の手間には、もう一つ厄介な面がある。水を入れ忘れたり、量が足りなかったりすると、運転が途中で止まることだ。洗い始めてから、水が足りずにエラーで止まると、また水を足さなければならない。食洗機を回したつもりが、水切れで止まっていて、食器が洗えていなかった、ということも起こりうる。分岐式なら、水道から自動で給水されるから、水切れの心配がない。タンク式は、毎回、十分な量の水を入れたか、気にかける必要がある。この、給水を忘れると止まる、という手間も、タンク式ならではだ。水の管理を、自分でしなければならない。うっかりが、運転の失敗につながる。給水は、忘れてはいけない工程だ。
容量が小さく、一度に洗える量も限られる
給水の手間に加えて、タンク式には、容量の面でも弱点がある。多くのタンク式は、コンパクトなぶん、一度に洗える食器の量が限られる。
大量の食器は、一度に入りきらない
タンク式の食洗機は、工事不要で置きやすいように、コンパクトな作りのものが多い。そのぶん、一度に入れられる食器の量が、限られる。大人数分の食器や、大きな鍋やフライパンは、一度に入りきらないことがある。共用キッチンで、みんなの食器をまとめて洗おうとすると、容量が足りず、何回かに分けて回すことになる。何回かに分ければ、そのたびに給水の手間も発生する。少人数分の食器なら問題ないが、大量に洗いたい家庭には、容量が物足りない。タンク式は、コンパクトさと引き換えに、洗える量が限られる。一度にたくさん洗いたいなら、この容量の小ささが、弱点になる。入る量を、見極めたい。
大きな食器や鍋は、洗いにくい
容量の問題は、量だけでなく、大きさにも及ぶ。庫内がコンパクトなタンク式では、大きなお皿や、背の高い鍋、大きなフライパンが、うまく入らないことがある。無理に入れると、庫内で水がうまく回らず、洗い残しが出る。大きな調理器具は、結局手洗いする、ということにもなりかねない。食洗機で何もかも洗えると期待すると、大きな食器が入らず、がっかりする。タンク式を選ぶなら、自分がよく使う食器や鍋の大きさが、庫内に収まるかを確かめたい。コンパクトな庫内は、大きなものを洗うのに向かない。何を洗いたいかによって、容量の小ささが、大きな制約になる。庫内のサイズを、事前に確認したい。
それでも、設置場所に制約がある人には向く
給水の手間や、容量の弱点を並べてきたが、タンク式が向く人もいる。工事ができない環境で、少人数分を洗うなら、タンク式は、他に代えがたい選択肢になる。
賃貸で工事できないなら、貴重な選択肢
タンク式の最大の強みは、やはり工事がいらないことだ。賃貸で、水道の分岐工事ができない、あるいは大家の許可が下りない。そんな環境では、分岐式の食洗機は、そもそも置けない。ここで、タンク式が生きる。工事不要で、コンセントさえあれば置けるから、工事ができない賃貸でも、食洗機の恩恵を受けられる。給水の手間はあるが、そもそも食洗機を諦めるしかなかった環境で、食洗機を使えるようになる。この点では、タンク式は、他に代えがたい。工事という壁に阻まれていた人にとって、タンク式は、食洗機への扉を開く、貴重な選択肢だ。置けないより、給水の手間があっても置けるほうが、ずっといい。
一人暮らしや少人数なら、給水も苦にならない
給水の手間も、洗う量が少なければ、それほど苦にならない。一人暮らしや、少人数の家庭なら、一度に洗う食器の量も少なく、使う回数も限られる。給水の回数が少なければ、その手間も、許容できる範囲に収まる。容量が小さいことも、少人数分なら問題にならない。つまり、少人数で、洗う量が少ない人にとっては、タンク式のデメリットは、あまり響かない。むしろ、工事不要の手軽さという、メリットのほうが大きく感じられる。タンク式は、少人数で、設置場所に制約がある人にこそ、向いている。大家族が使えば給水地獄でも、一人暮らしなら快適な相棒になる。使う人の状況で、評価が分かれる。
置き場所と、その他の手間も確かめておく
タンク式を選ぶなら、給水と容量のほかにも、確かめておきたい点がある。設置場所や、日々のちょっとした手間も、事前に知っておくと、後悔が減る。
意外と場所を取る、設置スペースを見る
タンク式はコンパクトとはいえ、それなりの大きさはある。キッチンのどこに置くか、設置スペースを事前に確かめたい。作業台の上に置くなら、その分の作業スペースが減る。食洗機を置いたら、調理する場所が狭くなった、ということも起こる。しかも、上から給水するタイプは、上部に給水のための空間も必要だ。上に棚などがあると、給水口を開けられないこともある。設置場所の、幅や奥行きだけでなく、上部の空間も含めて、確かめたい。コンパクトといっても、置けば場所を取る。キッチンのスペースと相談して、無理なく置ける場所があるかを、事前に見ておきたい。置いてから場所に困らないように。
排水の処理も、事前に確認する
給水だけでなく、排水の処理も確認しておきたい。食洗機は、汚れた水を排出する。この排水を、どこに流すかも、設置の際の確認点だ。多くは、排水ホースをシンクに向けて流すが、その配置がうまくいくか、シンクとの位置関係を確かめたい。排水ホースが届かなかったり、うまく流れなかったりすると、水漏れの原因になる。給水は上から、排水はホースで、という水の出入りを、両方きちんと処理できる配置かを、事前に見ておく。給水の手間ばかりに気を取られて、排水を見落とすと、設置してから困る。水の入りと出、両方の処理を、確かめておきたい。設置は、給水と排水の両面から考える。
結局、給水の手間を許せるかで決まる
食洗機タンク式のデメリットは何か。突き詰めて分かったのは、工事不要の手軽さと引き換えに、毎回の給水という手間を背負う、ということだった。使うたびに水を注ぐ面倒さが、最大の弱点だ。給水を忘れると途中で止まるし、容量も小さく、大きな食器や大量の食器には向かない。それでも、賃貸で工事ができない環境や、少人数で洗う量が少ない人には、貴重な選択肢になる。設置スペースや、排水の処理も、事前に確かめたい。タンク式を選ぶかどうかは、結局、毎回の給水の手間を許せるかどうかで決まる。
工事できない少人数なら、手軽さが勝る
あの日、給水の手間にうんざりしていた住人も、使い続けるうちに、折り合いをつけていった。共用キッチンとはいえ、洗う量を一度に詰め込みすぎず、こまめに回すことで、給水の負担を分散させた。何より、水道の分岐工事ができない環境で、食洗機を使えること自体が、ありがたかった。手洗いに戻ることを思えば、給水の一手間くらい、と思えるようになった。工事不要で飛びついて、給水に疲れた、あの最初のうんざりは、タンク式の宿命を理解したことで、受け入れられるものに変わった。タンク式が悪いのではない。手軽さの裏に手間がある、そのトレードオフを知らなかっただけだ。工事の手間を取るか、給水の手間を取るか。設置場所に制約があり、洗う量が少ないなら、給水の手間を引き受けてでも、手軽に置けるタンク式に、価値がある。自分の状況が、どちらの手間に耐えられるかを見極めれば、タンク式は、後悔のない選択になる。

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