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一人暮らしのタオルは何枚必要か、バスタオルを手放した部屋の話

六月の共用ベランダ、竿は四本。そのうち一本を、バスタオル二枚が端から端まで占領していた。
洗濯かごを抱えて出てきたユズキさんが、干す場所を探して три…ではなく、しばらく立ち尽くしていた。残る竿には他の住人のシーツ。
「あの日、部屋に戻ってフェイスタオルを注文しました」
翌週から彼女の洗濯物は竿の四分の一で収まるようになる。バスタオルはクローゼットの奥へ。二年たった今も、そこから出てきていない。

目次

枚数は好みではなく、洗濯の間隔で決まる

計算のしかたはひとつだけ

何枚買えばいいか。この問いに正解の数字はなくて、自分の洗濯サイクルを入れると答えが出る式がある。
洗濯と洗濯のあいだの日数に、一日で使う枚数をかける。それに乾かない日と来客ぶんとして一・五倍。
一日に体用が一枚、顔と手用が一枚なら、二日おきの洗濯で六枚。週一回しか洗わないなら、二十枚を超えてしまう。
つまり枚数を減らしたければ、買う量ではなく洗う回数を先に決める。順番が逆だと、タオルばかり増えていく。

頻度別に、だいたいこのあたり

毎日洗う人なら、バスタオル二枚、フェイスタオル四枚、ハンドタオル二枚。三日に一度ならそれぞれ三枚、六枚、三枚。週に一度だとバスタオル四枚、フェイスタオル七枚、ハンドタオル七枚。
こうして並べると、洗う回数を減らすほど収納が圧迫されることがよくわかる。
バスタオルを使わない前提に切り替えると、数字はぐっと落ち着く。一日二枚使って八枚を回している人の例もあって、これが一人暮らしの現実的な着地点に近い。

一人暮らしにバスタオルが向かない理由

竿を六十センチ食う

半分に折って干したバスタオルは、竿を六十センチほど占める。ワンルームに置くタイプの物干しなら、それだけで一段が埋まる。
フェイスタオルなら同じ幅に三枚並ぶ。そして三枚あれば、体も顔も手も足りる。
干す場所の広さは変えられない。変えられるのは、そこへ何を掛けるか。

部屋干しで、五時間を超える

生乾きのにおいの正体はモラクセラ菌という常在菌で、繁殖するときに出すものがあのにおいになる。
やっかいなのは時間で、洗濯後およそ五時間を過ぎると一気に増えていく。
厚手のバスタオルを梅雨の室内に干して、五時間で乾く日はまずない。翌朝まだしっとりしていて、そのまま使って肩のあたりがひやりとする。あの感触は、菌が増えきったあとの布に触れているということ。
薄手のフェイスタオルなら、扇風機を当てて二時間ほど。この差は毎日効いてくる。

洗濯機の中で、他を押しのける

五キロの洗濯機にバスタオルを二枚入れると、残る容量で洗えるのはシャツ二枚とタオル数枚くらい。
詰め込めば汚れは落ちきらず、すすぎも甘くなる。結局は洗濯の回数が増えて、水道代と時間が持っていかれる。
一回の洗濯で何が入るか。ここを想像しないままタオルを選ぶと、あとから家事の総量が膨らむ。

体を拭くのはフェイスタオルで足りる

一枚で拭ききれるのか

疑うのはもっともで、実際にやってみると足りる。
コツは順番。髪から先に水気を取って、そのあと上半身、最後に脚。面を変えながら押し当てていくと、一枚で最後まで持つ。
バスタオルのように体に巻けないので、拭き終わったらすぐ服を着ることになる。冬場は少し寒い。そのかわり、拭いたタオルはそのまま洗濯機へ放り込める。二日続けて同じものを使う習慣が消える。
小回りが利くぶん、背中や足の指のあいだまで手が届く、という話もよく聞く。

髪が長い人の解

肩より下まである人だと、一枚では厳しい。
髪用に一枚、体用に一枚。合計二枚使う運用に切り替える。それでもバスタオル一枚より乾きは速いし、干す幅も小さい。
髪用は吸水に振ったものを選ぶと拭く時間が短くなる。ただしマイクロファイバーは摩擦が強いので、毛先が傷みやすい人には向かない。

中間サイズという逃げ道

どうしても物足りない人には、ビッグフェイスタオルやミニバスタオルと呼ばれる中間のサイズがある。
バスタオルほどかさばらず、フェイスタオルより拭ける。移行期に一枚入れておくと、いきなり小さくしたことへの反発が和らぐ。
生地の厚みも見ておく。薄手の泉州のものは、いい意味でぺらぺらで乾きが速い。厚手の高級なものは肌触りに優れるかわり、乾かない。一人暮らしの敵は、この乾かなさのほう。

ゴワゴワと生乾き臭は、同じところから来る

五時間の壁を、道具で越える

乾かす速さを上げる方法は三つ。風を当てる、間隔を空ける、面積を増やす。
扇風機かサーキュレーターを真横から当てるだけで、乾く時間はかなり縮まる。除湿機があればもっと速い。
干し方も効く。ハンガーを二本使って、タオルの端をずらして掛ける。空気の通り道ができて、内側がこもらない。
洗濯が終わったら、すぐ干す。洗濯槽の中で三十分放置した時点で、菌の側にとっては好条件が整ってしまう。

柔軟剤を、毎回入れない

ふわふわにしたくて毎回たっぷり入れる。これが吸水性を落とす。
繊維の表面を覆う成分が残ると水を弾くようになり、しかもその残留物が菌のえさになる。においを消したくて入れたものが、においを育てる側にまわる。
使うなら規定量を守って、三回に一回。乾いたタオルを取り込むときにばさっと振れば、それだけで繊維が起きて手触りが変わる。

においが染みついたときは、熱

洗ってもだめな段階まで来ていたら、温度で片づける。
モラクセラ菌は熱に弱く、六十五度に十分さらされると発育が抑えられ、八十度で死滅する。六十度から七十度のお湯に三十分ほどつけ置きしてから洗う。
浴槽の残り湯では温度が足りない。やかんで沸かした湯を洗面器に張って、火傷しないよう気をつけながら沈める。
コインランドリーの高温乾燥機に持ち込む手もある。二十分で終わって、仕上がりはふっくらする。

買い替えの目安と、降ろし方

一年、あるいは三十回

タオルに明確な寿命はないものの、およそ一年、洗濯回数でいえば三十回から四十回を超えたあたりが替えどきとして案内されている。
判断はもっと簡単で、水を吸わなくなったら終わり。顔に当てて、水滴が肌に残る感じがしたらそのサイン。
洗ってもにおいが戻らない場合も同じ。菌が繊維の奥に住み着いていて、家庭の洗濯では追い出せない。

引退させたあとの使い道

捨てる前にひと働きしてもらう。四等分に切って、掃除用に置いておく。
コンロまわりの油、窓のサッシ、靴のお手入れ。使い終わったら洗わずに捨てる。雑巾を洗う手間がなくなるだけで、掃除に手をつける回数が増える。
ミシンがなくても、切りっぱなしで問題ない。ほつれた糸が気になるなら、端を斜めに落としておく。

収納がない部屋での置き方

立てて入れると、残数がわかる

引き出しに重ねると、下の一枚がいつまでも使われない。
三つ折りにしてから縦に並べる。上から見たときに全部の背が見えるので、残りが何枚かひと目で判断できる。
洗面所に棚がない部屋なら、突っ張り棒を二本渡して、その上に薄い籠を乗せる。フェイスタオル八枚なら、幅三十センチの籠ひとつに収まる。

色を絞ると、判断が減る

白で統一すると、汚れが見えるし、酸素系の漂白剤で一律に処理できる。柄物と白を分けて洗う作業が消える。
ただし白は染みが目立つ。化粧を落とすときのマスカラや、日焼け止めの跡。気になる人は淡いグレーあたりが落としどころ。
そろえるのは色だけで十分で、ブランドや厚みまで統一する必要はない。ユズキさんのラックには、ふるさと納税でもらった白い一群と、実家から持たされた薄いグレーが混ざって置かれている。並べたときに揃って見えれば、それでいい。

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この記事を書いた人

屋根の下の知恵袋TOKYOシェアライフ

都内シェアハウス住民によるリアルな生活ハック発信中。
節約、家事、収納、コミュニティづくりまで、みんなで暮らすからこそ生まれる知恵を発信してます。

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