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安いサングラスは目に悪いのか|見分け方と危ない条件

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海から帰った夜、目の奥がずきずきした

八月。住人四人で海に行った日。
帰りの電車で、ミオが目を細めて窓の外を見ていた。まぶしいわけじゃない。夜だった。
その夜、彼女は目薬をさしながら言った。目の奥が脈打つ、と。
翌朝、白目が薄く充血していた。
彼女がその日かけていたのは、駅前の雑貨屋で買った五百円のサングラス。濃い色のレンズで、見た目は悪くない。
安いから、なのか
その疑問が、この話の出発点。

断っておくと、値段だけで良し悪しは決まらない。安くても問題ないものがあるし、高くても条件を外せば意味がない。
分かれ目は別のところにある。

危ないのは、濃いのに紫外線を通すもの

結論から書く。
目に負担をかけるのは、レンズの色が濃くて、紫外線を防ぐ加工がされていないサングラス。
この組み合わせが、裸眼より悪い状態を作る。
色が薄くても紫外線を防ぐものは問題ない。色が濃くて紫外線も防ぐものも問題ない。
濃さと防御が噛み合っていないときだけ、話がおかしくなる。

瞳孔が開く、という仕組み

暗いところに入ると、目の黒い部分が広がる。より多くの光を取り込もうとする反応。
濃い色のサングラスをかけると、目に入る光の量が減る。脳は暗いと判断して、瞳孔を開かせる。
このとき、レンズが紫外線を通していたら。
広がった瞳孔から、より多くの紫外線が奥まで届く。裸眼なら瞳孔が小さくなって防げていたはずの量が、素通りする。
サングラスをかけたほうが、紫外線を多く浴びる。これが起きる。

店頭で確認できること

 

紫外線カットの表示を探す

値札やタグに、紫外線に関する記載があるか。
紫外線透過率という数字が書かれていることがある。この数字が小さいほど、通さない。一パーセント以下のものを選ぶ。
あるいは、特定の波長までカットすると書かれているもの。数字が大きいほど広い範囲を防ぐ。
うちの住人が買った五百円のサングラスには、この手の表示がどこにもなかった。ファッション小物として売られていた。
表示がないものは、防いでいない前提で扱う。

色の濃さは、防御力と関係ない

ここを取り違えている人が本当に多い。
レンズの色は、可視光線をどれだけ遮るかの話。まぶしさを抑える機能。
紫外線は目に見えない光なので、色の濃さでは判断できない。
透明に近い薄い色のレンズでも、加工がされていれば紫外線をほぼ通さない。
濃い黒でも、加工がなければ通す。
見た目でどれだけ守られているか判断するのは、不可能。

レンズを通して、直線を見る

これは安いレンズの品質を見る方法。
サングラスを顔から離して持ち、レンズ越しに窓枠や棚の縁など、まっすぐな線を見る。
サングラスをゆっくり左右に動かす。線が波打ったり、ずれたりしたら、レンズに歪みがある。
歪んだレンズを長時間かけると、目の筋肉が補正しようとして疲れる。頭が重くなるのは、これが原因のことがある。
うちで五本試したら、二本が明らかに歪んでいた。どちらも千円以下のものだった。

安いサングラスで、実際に起きたこと

 

目の奥の痛みと、翌日の充血

冒頭のミオの症状。
海の照り返しは強い。水面と砂浜から、上下両方から光が来る。
濃いレンズで瞳孔が開いた状態で、その環境に六時間いた。
医療の判断はできないので断定は避けるけれど、彼女は眼科で目を診てもらって、しばらく強い光を避けるよう言われた。
それ以降、彼女は紫外線カットの表示があるものしか買わなくなった。

夕方になると、頭の後ろが張る

別の住人の話。
運転中に安いサングラスを使っていたら、夕方に決まって頭の後ろが重くなる。
レンズの歪みを疑って、直線を見る方法で確認したら、片方のレンズだけ像がずれていた。
左右で見え方が違うと、目が常に調整し続ける。その負担が首と後頭部に来る。
別のものに替えたら、症状が出なくなった。

横から光が入って、意味をなさない

これは値段というより形状の問題。
顔の幅に対してレンズが小さいと、こめかみ側から光が入る。
安いサングラスは、サイズ展開がないものが多い。日本人の顔の形に合っていない設計のものもある。
うちの住人がかけたとき、レンズと頬のあいだに指が二本入る隙間があった。下からの反射がそこを通る。
横と下を塞ぐ形状のほうが、実際の効果は高い。

安くても、選べば問題ない

 

眼鏡の専門店の、低価格ライン

うちの住人が今使っているのは、眼鏡チェーンで買った三千円台のもの。
紫外線カットの数値がタグに明記されていて、レンズの歪みもない。
専門店は、レンズの品質について責任を持つ立場にある。表示に根拠がある。
値段の下限で言えば、この価格帯から選ぶのが安心だった。

百円ショップのものは、条件次第

意外に思われるかもしれないが、紫外線カットを明記している商品がある。
うちで買ったものには、透過率の記載があった。
ただ、レンズの歪みは避けられない。直線を見る方法で確認したら、周辺部が波打っていた。
短時間の使用なら使える。一日中かけるなら、目が疲れる。
用途を割り切るなら、選択肢としてはある。

表示のない雑貨は、避ける

ファッション小物として売られている、表示のないサングラス。
これが一番危ない。濃い色で、根拠がなくて、価格が安い。
うちは共用の玄関に置いてあった無表示のサングラスを、全部処分した。誰が買ってきたか分からないものが三本あった。
かけないなら害はないが、玄関にあると急いでいるとき手が伸びる。それが危ない。

使い方で、負担が変わる

 

屋内でかけ続けない

室内は元から暗い。そこで濃いレンズをかけると、瞳孔が大きく開く。
その状態で外に出ると、明るさに対応するまでの一瞬、大量の光が入る。
うちの住人が、室内でも外さない癖があった。外に出た瞬間にまぶしくて足を止める場面を、何度も見た。
室内では外す。単純だけれど、これで負担が減る。

運転中は、色の濃さに上限がある

トンネルに入った瞬間、視界が急に暗くなる。
濃すぎるレンズは、この場面で危ない。目が暗さに慣れるまでの数秒、ほとんど見えなくなる。
運転に使うなら、色の薄いものか、光の量に応じて濃さが変わるタイプを選ぶ。
夜間の運転で色付きのレンズを使うのは、そもそも避ける。

子どもには、大人以上に選ぶ

目の水晶体は、若いほど透明度が高い。紫外線が奥まで届きやすい。
子ども用として売られている安価なサングラスにも、表示のないものがある。
うちに遊びに来た住人の甥っ子が、そういうものをかけていた。親御さんに伝えるかどうか、少し迷った。
結局、直線を見る方法だけ教えた。判断は本人たちに任せた。

手元のサングラスを、確かめる

 

タグを捨てていたら、分からない

買ったときのタグや説明書き。ここに全部書いてある。
捨ててしまうと、あとから確認する手段がほとんどない。
うちは今、買ったときのタグをまとめて封筒に入れている。眼鏡ケースの中に入れておく住人もいる。
確認できないものは、屋外での長時間使用を避ける。それが現実的な対処。

眼鏡店で、測ってもらえることがある

専門店に、紫外線の透過率を測る機器が置いてあることがある。
持ち込んで測ってもらえるか、店に聞く。無料で対応してくれる場合がある。
うちの住人が二本持ち込んで、一本が通していることが分かった。その場で捨てた。
判断がつかないなら、専門家に見てもらうのが早い。

迷ったら、かけない

表示がなくて、確認する手段もない。
その場合、かけないほうがましという判断になる。
裸眼なら、まぶしさに応じて瞳孔が小さくなる。体が持っている防御が働く。
帽子のつばで日差しを遮るほうが、根拠のないサングラスより確実。

先週、ミオが新しいサングラスを持ってきた。
玄関の明かりの下で、レンズ越しに靴箱の縁を見ている。左右にゆっくり動かして、線が真っ直ぐなことを確かめていた。
それからタグを外して、封筒に入れた。
「今度は、ちゃんと書いてあるやつ」
彼女はそう言って、鏡の前でかけてみた。レンズの色は、前より薄かった。

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この記事を書いた人

屋根の下の知恵袋TOKYOシェアライフ

都内シェアハウス住民によるリアルな生活ハック発信中。
節約、家事、収納、コミュニティづくりまで、みんなで暮らすからこそ生まれる知恵を発信してます。

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