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炊飯器の保温40時間は大丈夫か|実際に試して分かった限界

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金曜に炊いた米を、日曜の朝に開けた

共用の炊飯器。金曜の夜に五合炊いて、住人が三人ぶん食べて、残りがそのまま。
土曜は全員外出。誰も蓋を開けなかった。
日曜の朝、キッチンに立ったとき、部屋の空気が少しだけ甘ったるかった。
蓋を開ける。
うわ、色
米が茶色い。全体が薄い琥珀色になって、表面が乾いて縮んでいる。しゃもじを入れると、底のほうがべたっと固まっていた。
鼻を近づけると、酸っぱいような、蒸れたような匂い。炊きたてのあの甘い香りは、跡形もなかった。
四十時間。長針が二周と少し。それだけで、白かったものがここまで変わる。

シェアハウスで六人が共用する炊飯器。三年のあいだに、この手の放置を何度も見てきた。
何時間までなら食べられるのか、どこから駄目になるのか。実際に観察した記録を書く。

メーカーが示す上限は、二十四時間前後

取扱説明書に、保温時間の目安が書かれている。
機種によって差はあるが、十二時間から二十四時間とされていることが多い。
四十時間は、その目安を大きく超えている。安全に食べられる範囲を外れた状態。
食べられるかどうかで言えば、加熱し直せば口には入る。ただ、味も食感も別物になっている。

時間より、何が起きているかを見る

数字だけで判断すると、迷いが残る。
起きているのは、水分の蒸発、でんぷんの変質、そして着色。
この三つが、時間の経過とともに進む。どこまで進んでいるかを、目と鼻で判断する。

時間ごとに、何が変わるか

六時間まで、ほぼ変化なし

朝炊いて、夕方に食べる。この範囲なら、味の劣化を感じない。
うちの住人が、この時間帯で不満を言ったことはない。
表面が少し乾く程度。しゃもじで底からほぐせば、元に近い状態になる。

十二時間で、黄色みが出はじめる

夜に炊いて、翌朝に食べる。この時点で、白さが落ちる。
うちの共用炊飯器で、朝の当番が最初に気づくのがこれ。
まだ食べられる。味も、言われなければ気づかない程度の差。
香りが弱くなる。炊きたての甘い匂いが消えて、無臭に近づく。

二十四時間で、匂いが出る

ここが分かれ目だった。
蓋を開けたとき、蒸れたような匂いがする。表面の乾燥がはっきりする。
うちの住人は、この段階のご飯を炒飯にして食べていた。そのままでは食べる気にならないが、味付けをすれば通る。
黄色みが濃くなる。全体がクリーム色に近づく。

四十時間で、別の食べ物になる

冒頭の状態。
色は琥珀色。表面は乾いて硬く、底はべたつく。匂いは酸っぱい方向に振れる。
うちはこの回、全部捨てた。五合ぶん。三人で無言でゴミ袋に入れた。
食べられなくはないと思う。ただ、進んで口に入れたい状態ではなかった。

なぜ黄色くなるのか

糖とたんぱく質が、熱で反応する

米に含まれる糖分とアミノ酸が、加熱され続けることで反応を起こす。
その結果、褐色の物質ができる。パンが焼けて茶色くなるのと、同じ原理。
保温は、およそ七十度前後を保ち続けている。低温だが、長時間続けば反応は進む。
時間が長いほど、色が濃くなる。

温度が高い機種ほど、早く進む

保温の設定温度は、機種によって違う。
うちの一台目は、保温六時間で黄ばみが出ていた。二台目は、十二時間でようやく色づく程度。
温度制御が甘くなった古い炊飯器は、必要以上に加熱し続ける。
新品のときと比べて、明らかに早く黄色くなるようになったら、それは炊飯器の劣化の合図でもある。

低温で保温できる機種がある

六十度前後で保つ、低温保温という機能。
黄変が遅くなる。うちの二台目に付いていて、通常の保温より色の変化が緩やかだった。
ただし、温度が低いぶん、菌が増えるのを抑える力も落ちる。
うちは、半日を超えるなら低温保温を使わない判断にした。

四十時間のご飯を、どう扱うか

匂いで、判断を分ける

蓋を開けて、最初に鼻に来るもの。
無臭か、わずかに蒸れた匂い程度なら、加熱して食べられる。
酸っぱい匂い、あるいは鼻を刺す匂いがしたら、そこで終わり。
うちは匂いを基準にしている。色は濃くても匂いが平気な回と、色が薄くても匂いが立つ回があった。時間だけでは決まらない。

糸を引いていたら、迷わない

しゃもじで持ち上げたとき、細い糸が引く。
表面がぬめる。触った指が滑る。
この状態は、菌が増えている。加熱しても、菌が出した物質は残る。
うちで一度これがあった。夏場、丸二日放置した回。全部処分した。

炒めて味を付ける

匂いが平気で、色だけ変わっている場合。
炒飯やチキンライスにすると、色も味もごまかせる。
うちの住人は、油と卵と醤油で炒めて食べていた。乾いた部分が、逆にぱらっとして具合がよかったらしい。
雑炊やおじやにする手もある。水分を足して煮ると、硬くなった部分が戻る。

四十時間を作らないために

炊いたら、余りをすぐ冷凍する

これが最も確実な対処。
炊きたてを、一食分ずつラップで包んで冷凍する。
熱いうちに包むのがコツ。冷めてから包むと、水分が飛んで、解凍したときにぱさつく。
うちは炊いた直後に、食べるぶんを取り分けて、残りをすぐ包む決まりにした。作業は五分。
一か月ほど保つ。電子レンジで温めれば、炊きたてに近い状態に戻る。

炊く量を、減らす

共同生活だと、これが難しい。誰が何合食べるか読めない。
うちは掲示板を作って、その日の夕食を家で食べる人が名前を書く形にした。
人数が分かれば、炊く量が決まる。余りが出なくなった。
一人暮らしなら、少なめに炊いて、足りなければ追加で炊く。二回炊く手間より、捨てる罪悪感のほうが重い。

保温を切る習慣

食べ終わったら、保温を切る。
うちは炊飯器の前に、小さな札を置いた。食べたら切る、とだけ書いてある。
切ってしまえば、常温になる。冬場なら数時間は問題ない。夏場は冷蔵庫に移す。
四十時間の保温が起きたのは、誰も切らなかったから。切っていれば、少なくとも加熱による変質は止まっていた。

炊飯器への負担

電気代が、地味に効く

保温の消費電力は、機種によるが十五ワットから三十ワットほど。
四十時間続けると、それなりの量になる。
うちで計算したら、保温四十時間ぶんの電気代で、もう一度炊けるくらいだった。
残ったご飯を冷凍して、食べるときに温め直すほうが、電気代でも安い。

内釜のコーティングが傷む

長時間の保温は、内釜にも負担をかける。
乾いた米が底に張り付いて、剥がすときにコーティングを削る。
うちの一台目は、保温を長時間使い続けた結果、底の中心から銀色が広がった。
洗うときに、こびりついた部分を無理にこすらない。ぬるま湯に浸けて、ふやかしてから落とす。

匂いが、本体に残る

長時間保温を繰り返すと、蓋の裏や蒸気口に匂いが染みつく。
うちの一台目は、新しく炊いた米にまで古い匂いが移るようになった。
蓋の裏の金属板と、蒸気口の部品を外して洗う。週に一度。
それでも取れなくなったら、その炊飯器はかなり傷んでいる。

保温を使わない選択

冷凍が、味でも勝つ

うちの住人が実験した。
炊きたてを冷凍して翌日に温めたものと、二十四時間保温したもの。食べ比べた。
全員が冷凍のほうを選んだ。色も白いまま、香りも残っている。
保温は、数時間以内に食べる前提の機能。それ以上は、冷凍のほうが優れている。

冷蔵は、実は不利

冷凍ではなく冷蔵にすると、米が硬くなる。
でんぷんが、冷蔵庫の温度帯で最も劣化しやすい。
うちの住人が冷蔵したご飯を温めたら、ぼそぼそになっていた。
残すなら、冷凍。中途半端に冷やさない。

保温機能を、そもそも使わない住人

うちに一人、炊いたら即座に全部小分けにして冷凍する住人がいる。
保温のスイッチを一度も入れたことがない。
彼の食べるご飯は、いつも白い。三年見ていて、色の変わったご飯を食べているところを見たことがない。

先週、日曜の朝。
炊飯器の蓋を開けたリョウが、しゃもじを持ったまま少し止まった。
中は空。前夜のうちに、誰かが全部小分けにして冷凍していた。
冷凍庫を開けると、ラップで包まれた白い塊が六つ並んでいる。
「これ、誰がやったんですか」
返事はなかった。彼はひとつ取り出して、電子レンジに入れた。二分後、蓋を開けた瞬間、湯気と一緒に甘い匂いが立ち上がった。

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この記事を書いた人

屋根の下の知恵袋TOKYOシェアライフ

都内シェアハウス住民によるリアルな生活ハック発信中。
節約、家事、収納、コミュニティづくりまで、みんなで暮らすからこそ生まれる知恵を発信してます。

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