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傘のつゆ先が外れたときの直し方、捨てる前に確かめること

駅の階段を下りながら、視界の右上でばたばた鳴っていた。
布の角がひとつ、骨から外れてぷらんと垂れている。そこだけ屋根が欠けたみたいに雨が流れ込んで、肩が濡れた。
帰宅したマキさんはその傘を玄関に立てかけたまま、三日ほど眺めていたらしい。五年使った一本で、捨てるには惜しい。
「壊れた部品の名前がわからなくて、検索のしようがなかったんですよね。傘の先っぽ、で調べても石突ばっかり出てくるし」
そこでたどり着いた言葉が、つゆ先。ここまで来れば、話はもうほとんど片づいている。

目次

名前がわかった時点で、修理は半分終わっている

つゆ先は、骨の先についた小指の先ほどの部品

傘を開いて、生地の角が骨の先端に留まっている場所。あの小さなキャップがつゆ先で、露先とも書く。
雨がここを伝って、しずくになって落ちていく。名前の由来がそのまま働きを説明している。
素材は樹脂が主流で、高い傘だと金属や木のものもある。ネットやホームセンターで単品部品が売られていて、百円ショップに傘修理キットが並んでいることもある。
つまり、傘の故障のなかでは最も直しやすい部類。骨が折れたのとはわけが違う。

石突と混同すると、部品を買い間違える

検索でつまずく人が多いのはここ。
石突は、傘のてっぺんについている先端部品のこと。長傘は長く、折りたたみは短い。
つゆ先は八本なり十六本なり、骨の数だけある。まったく別の部品なのに、どちらも先っぽと呼びたくなる位置にある。
部品を買うときにこの二つを取り違えると、届いた袋を開けて肩が落ちる。名称を押さえてから注文ボタンを押す。

壊れ方は二通りあって、直し方が変わる

糸が切れて、生地だけが抜けた

つゆ先そのものは骨の先に残っていて、生地の角だけがぶら下がっている状態。マキさんの傘はこれだった。
縫い付けていた糸が経年で弱り、開閉のたびに引っぱられて切れる。部品を買う必要はない。針と糸だけで戻せる。
外れた角を見て、部品がまだ骨に刺さっているかどうか。最初に確かめるのはそこ。

つゆ先そのものが割れた、飛んだ

樹脂が経年で硬くなり、ぱきっと割れる。半分だけ残っていたり、跡形もなく消えていたり。
骨の先端がむき出しになっていると危ないので、この場合は部品の調達から入る。
折りたたみ傘の場合、骨の先端が細くて特殊な形をしていることがあり、汎用品が合わないケースも出てくる。開いてじっくり見てから買うほうがいい。

針と糸で、その日のうちに戻る

布の角を三ミリ折ってから縫う

手順そのものはあっけない。
古いつゆ先を外す。骨から抜けるタイプなら引っぱって、生地に縫い付けられているタイプなら糸を切って分離する。
外れた生地の角を、傘の内側へ向けて三ミリから四ミリ折り込む。ここを飛ばすと、縁のほつれがそのまま進行して、来年また同じ場所が抜ける。
折った部分の上につゆ先を乗せて、縫い留める。二か所か三か所、糸を通して往復させれば十分。
布の表側に上下逆さまで取り付けるのがコツだと、実際に直した人が書いていた。生地を張ったときに向きがそろう。
所要時間は、慣れていない人でも一か所十五分ほど。テレビを見ながらちくちくやっていたら終わっていた、という感想が多いのも納得できる。

ミシンで縫ってはいけない

早く済ませたくてミシンを持ち出す人がいる。これはやめておいたほうがいい。
針が細かく連続して刺さるぶん、その線に沿って生地が裂けやすくなる。専門店が柔軟性のある単環縫いを使うのは、そこを避けるため。
手縫いで、糸は太めのポリエステル。返し縫いを一回入れて、玉止めをしっかり作る。ボンドで固めるのは最後の手段で、生地が硬くなって次に直せなくなる。

部品を買う前に見る、三か所

骨の先端の太さ

つゆ先の内側は筒状で、そこへ骨の先が入る。この径が合わないと、ゆるくて抜けるか、そもそも入らない。
定規を当てて測るまでしなくていいけれど、外れた部品が残っているなら、それを持って売り場へ行くのがいちばん確実。
グラスファイバーの骨は先端が丸く、金属骨は平たいことが多い。形状も見ておく。

差し込みか、爪で留めるか

骨に差し込んで生地を縫い付けるタイプと、金属の爪を骨に巻きつけて折り曲げるタイプがある。
後者はペンチが要る。爪をしっかり折り込まないと、数回開いただけで浮いてくる。
自分の傘がどちらか、無事な側のつゆ先を見て判断する。八本骨なら七本は無事なはずだから、お手本はすぐそばにある。

色と形は、そろえなくてもいい

同じ色が見つからないことはよくある。剣先型のシルバーやゴールド、ブロンズあたりが定番で、樹脂の黒も出まわっている。
一か所だけ違う色になるのを嫌って買い替える人がいるけれど、開いた傘を下から覗き込む人はいない。
どうしても気になるなら、全か所を同じ部品に替えてしまう手もある。八本ぶんでも部品代は千円台に収まることが多い。

応急処置で、その日の雨をしのぐ

テープが持たない理由

出勤前に気づいたとき、ビニールテープを巻いて出る人は多い。
半日で剥がれる。傘の生地は撥水加工がかかっていて、粘着が食いつかない。しかも雨が当たる場所だから、水を含んだ瞬間に終わる。
それでも数時間だけ持たせたいなら、テープを骨に巻きつけるのではなく、生地の角ごと骨に沿わせて何周かきつく巻く。糊が残るので、帰ったらすぐ剥がす。

手元にあるもので代用する

つゆ先が飛んでしまい、骨の先が尖っている状態。あれは周囲の人に当たると危ない。
太めのストローを二センチほど切って先端にかぶせ、生地の角を糸で骨ごと縛る。これでその日は越せる。ボールペンのキャップを差す人もいる。
結束バンドで骨と生地を留める方法もあるけれど、生地に穴が広がるので一回きりの手段として。
どれも本修理までのつなぎ。週末まで、と期限を決めて使う。

預けたほうが早い場面と、その費用

つゆ先一か所いくらか

修理店に出した場合、つゆ先の交換はおよそ千百円前後。見た目をそろえるために全か所を交換すると、二千四百円から三千三百円あたり。
骨が折れているなら一か所で千六百五十円から二千円ほど、持ち手の交換は千円から三千円、生地の張り替えまでいくと八千円から。
納期は店舗持ち込みで最短当日、配送だと二週間ほどみておく。梅雨前は混むので、直すなら今のうちに動くほうがいい。
自分でやれば部品代の数百円で済む。ただ、時間と失敗のリスクを織り込むと、千円ちょっとで職人に任せるのも悪い選択ではない。

直さないほうがいい傘

線引きははっきりしている。
中棒が折れているもの。骨の複数箇所が同時に折れているもの。生地が日焼けして撥水が完全に落ちているもの。ここまで来ると、修理費が新品を上回る。
折りたたみ傘や金属骨は、店によって受け付けてもらえないこともある。断られたからといって直らないわけではなく、扱える工房を探せば通ることも多い。
逆に、つゆ先が一か所か二か所という状態は、まず間違いなく直る側。玄関に立てかけたまま三日悩む必要はなかった、という話になる。

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この記事を書いた人

屋根の下の知恵袋TOKYOシェアライフ

都内シェアハウス住民によるリアルな生活ハック発信中。
節約、家事、収納、コミュニティづくりまで、みんなで暮らすからこそ生まれる知恵を発信してます。

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